多治見編vol.3 懐かしく不思議な美しさのタイルの世界「モザイクタイルミュージアム」

多治見編vol.3 懐かしく不思議な美しさのタイルの世界「モザイクタイルミュージアム」

1300年の伝統ある美濃焼の産地として有名な多治見市。街には由緒ある窯元や陶磁器に関する美術館などがたくさん。最近ではユニークな博物館や和モダンなギャラリー、おしゃれな隠れ家カフェなど、話題のスポットが数多くオープンし、“休日が楽しい街”として注目されています。
案内役は「IRISE antique」の小林彩子さん。おすすめしたい場所がたくさんある中で、選りすぐりのスポットをご紹介してくださいます。

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多治見市は陶磁器産業の盛んな街という面に加え施釉磁器モザイクタイル発祥の地にして現在も全国一の生産量を誇るタイルの街でもあります。
その多治見市の中でも一番のモザイクタイル生産地である笠原町に2016年にモザイクタイルミュージアムが開館しました。
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目に飛び込んでくる特徴的なフォルムの建物は建築家 藤森照信氏がデザイン、設計を担当し建設されました。
タイルの原料を掘り出す採土場をモチーフに設計したされた建物はまるでおとぎの国に迷い込んだような不思議な可愛さがあり、その壁には、笠原町の歩んで来た歴史が埋め込まれ近づくと全体を観た時とはまたひと味違う側面が浮かび上がり面白いのです。
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ミュージアムの中に入り少し歩くと目の前に現れる4階に続く階段、光の入り方や上に行くにしたがって緩やかに狭くなる階段など随所に藤森氏の拘りが感じられる造りになっています。tajimi3-3
一番の見所は4階の展示室。
銭湯や個人宅、店舗や大学などの大きな施設に貼られていた昭和期の様々なモザイクタイルアートで埋め尽くされています。
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上絵付のタイルや、大画面の城の絵など実際に銭湯の壁から剥がし持って来た今は作られていない貴重なタイルも展示されていて古いモノが好きな方はもちろん、建築物に興味のある方、当時銭湯に通っていた方々にも楽しんで頂けるのではないかなと思います。tajimi3-6 tajimi3-7
海外への輸出や一般家庭への普及により多種多様なデザインで作られたモザイクタイル。デザインの多様性には、輸出先のヨーロッパやアメリカなどのニーズが関わっているのだと思います。今改めて見てみると現代に通じるモダンなデザインもあり面白い。
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3階にはモザイクタイルを作る工程を知る展示としてタイルの貼り板が壁にきれいに並べられています。
私にとってはここが一番好きな場所。

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時々私のお店でも商品として扱う事がある貼り板。様々なデザイン、実際に使われてきた事で擦れた木味、道具としての美が隅々まで感じられ魅入ってしまいます。この貼り板こそ産地でないと見ることが出来ない道具なのではないでしょうか?
ミュージアムでは定期的にタイルにまつわる企画展も行われています。tajimi3-11
この時は、建築家・今井兼次さんの展覧会でした。大阪の旧東邦商事本町ビルが、大阪商工信用金庫本店ビルとして安藤忠雄設計によって建て直しされた際、屋上の今井兼次さんの作品「糸車の幻想」の再現計画が持ち上がり、その制作のため外されサンプルとして残された欠片が展示されていました。
このサンプルタイルの中にも、再現された「糸車の幻想」にも、笠原で作られたタイルが使われているのだと思うと感慨深いものがあります。
多治見の歴史、タイルの歴史と共に現代盛んに作られているタイルのショールームを併設したモザイクタイルミュージアム。
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近くには昔ながらの定食屋さんなどもありノスタルジックな時間を過ごす事が出来るスポットです。

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多治見編vol.3 懐かしく不思議な美しさのタイルの世界「モザイクタイルミュージアム」
Source: 暮らしとおしゃれの編集室

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