イメトレのおへそ ― 「CHICU+CHICU 5/31」主宰・山中とみこさん vol.2

イメトレのおへそ ― 「CHICU+CHICU 5/31」主宰・山中とみこさん vol.2

←vol.1はこちらから

骨董店を開いたのも
服を作りはじめたのも
人と場所とタイミングのめぐり合わせ。
どう生きるかは
やってきた運を、どう受け取るかということ。

s_MG_3312
古い一軒家の壁と床をペイントしてショップ「山中倉庫」をオープン。「什器も最小限にして、ポールを吊るして洋服をかけただけ。身軽でいられるよう、すぐに辞められる状態にしているんです」

そんな山中さんが今イメトレ中なのが人生の閉じ方です。まずは、すべて自分で手がけてきた洋服を、縫製工場に依頼して「プロダクト」としての生産体制を整えました。

「時間に余裕ができて、地方のギャラリーに出かけて展示会を開くこともできるようになったんです」

さらに、日用品を整理して暮らしをひと回り小さく。

「冷蔵庫やクーラーなど、電化製品を買うときには、『これが最後の買い替えだな』と思いながら選びますね」

そして、夫と相談して自分たちは「樹木葬」にすることを決めたそう。

「2人の息子たちは、自活できるようにと育ててきました。だから私たちも、子どもに世話になることを考えるのはやめようと思って。老いていく怖さを受け入れながら、働けるところまで働けたらいいなあと思って」

そんな姿は、歳を重ねるごとに、どんどん身軽になっていくよう。

「子育ても、親の介護も早いうちに終わったので。今は、全部自分のために時間が使えます。好きなことをやって、今が、いちばん幸せかな」

山中さんがこうやって潔くすべてを手放せるのは、目の前にあることをその時々で、「やりきって」きたからなのかも。人は、理想と現実を一致させられないと「不満」が残ります。できないことに無理に手を伸ばすことなく、自分の胸に「本当にやりたいこと」を問いかけて、それを「イメトレ」という時間で熟成させる……。自分に正直になれば、人生の終盤にこんなにも伸びやかに、自由になれると、お手本を見せていただいた気がします。

仕事を緩める

すべてを自分で抱え込まず
誰かに託すことで
仕事のなかにお楽しみの時間が生まれる。

s_MG_3266
爪は真ん中だけ赤く
今は、古い生地をなるべくそのまま生かして作る洋服のみ、自分で仕立てている。真っ赤なマニキュアを塗ると、気分が上がるそう。両端を残し真ん中だけ塗るのがいつもの方法。

s_MG_3315
誰かに託して作る
すべてを自分で抱え込むとしんどくなるので、デザインだけを手がけて、工場で縫製する「プロダクト」のラインを始めた。1枚で目立つのではなく、組み合わせがきくデザインが特徴。

ものを減らす

欲しいものを手に入れることより
持って帰った先にある
空間が心地いいことが大事。

s_MG_3216
築45年のマンションを8年前にリフォーム。極力ものを増やさず、シンプルに暮らしている。ダイニングテーブルは、ネットショップで見つけた、図工室で使われていたという古いもの。壁の絵は、ひと目惚れで購入した西脇一弘さんの作品。

s_MG_3223
ひとつの石けんで暮らす
「自然丸」の石けんを4つにカットし、家のあちこちに。手や顔、体を洗うのも、台所や浴槽を洗うのもこれで。化学合成物質はいっさい無添加。あれこれ洗剤を持つ必要がなく、ストック場所も必要ない。

s_MG_3222
色でしまい場所を替える
リフォームした際にクロゼットを作ってもらい、黒、ネイビーの洋服はここに。白い服は出しておいても気にならないので、リビングのコーナーに吊るしている。ここに収まらなくなったら処分を。

s_MG_3246
青森にある両親の墓じまいをしたことで、お墓を守っていくことの大変さを実感。子どもたちに負担をかけないように、樹木葬にすることを決めた。パンフレットをもらいに行って検討中。

s_MG_3233
夫婦は互いに我慢しない
結婚当初から、夫婦ふたりともが互いに干渉しすぎないような距離を望んできた。夫は若い頃からずっと続けてきたバンド活動を。山中さんも、地方の展示会に自由に出かける。

s_MG_3248
最後のつもりで家電を買う
これから、10年、15年と使い続けるだろう家電は、年齢を考えると、「この買い替えが最後」と思っているそう。間に合わせで買わず吟味して。最近ではクーラーと冷蔵庫を買い替えたばかり。

 

「暮らしのおへそ Vol.28」より
photo:有賀 傑 text:一田憲子

→その他の「暮らしのおへそ」の記事はこちら

イメトレのおへそ ― 「CHICU+CHICU 5/31」主宰・山中とみこさん vol.2
Source: 暮らしとおしゃれの編集室

関連記事

ページ上部へ戻る